日本臨床歯周病学会 第34回年次大会 ~2
平成28年7月9日(土)10日(日)に福岡県で日本臨床歯周病学会第34回年次大会に参加させて頂きました。
近年、高齢化で患者さんで全身疾患をもつ方が多い現実を実感する事が多くなってきました。
今回の学会では全身疾患がある患者さんへの歯周基本治療の進め方という講演が数多くありました。
歯周病は多因子疾患であることから、個々の患者さんのケース別での歯周治療の組み立てが必要になります。
例えば、慢性腎不全で血液透析を受けている患者さんは易感染であること、カルシウム拮抗剤(降圧剤)を服用していると歯茎に炎症が起きやすいこと、血圧の関係から外科処置には注意が必要なこと、がリスク因子としてあります。
今回聞いた発表は、歯科衛生士が、歯周状態を良くすることにより、慢性腎不全患者の主な死因の一つである心不全を引き起こす動脈硬化症のリスクを軽減できる可能性があることを患者さんに説明し、ブラッシングの重要性や歯周病ケアについての理解を深めてもらい、結果、医科との連携もあり、口腔内環境の改善だけでなく、腎不全患者の合併症のリスクも減らすというにことに繋がったとの報告でした。
全身疾患の知識も身につけることで、患者さんが口腔内に関心を持ってもらえるように導いていくことができるということ。また、口腔ケアの向上が全身への健康に繋がることや、患者さんの全身の特異性を知ることで、患者さんに安心して歯周治療を受けてもらえる事ができるということを学びました。
「木を見て森を見ず」
ある衛生士さんの講演で聞いた言葉です。
目先のことに目を向けがちですが、広い目を持つことで色々なことに気づけるよということでした。
私も衛生士として広い目を持って、患者さんに合った口腔ケアをしていき、患者さんを口腔内だけでなく全身の健康も守っていきたいなと強く思いました。
先週の衛生士ミーティングでは、この内容をプレゼンとして発表することができました。
この場を借りて、院長先生、このような勉強の場に行かせていただきありがとうございました。
奥野 美樹
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