スケーリング(歯石とり)をするのは歯科衛生士ですか?
最近、スケーリング(歯石取り)を行う際に、「あなたは歯科衛生士ですか?」との問い合わせが数件ありました。
質問された方から、詳しくお聞きすると、ある女性誌に「スケーリングを歯科助手が行っている診療所がある」という記事があったから との事。
このところ、歯周病への関心が高まり、たくさんの歯科診療の中でも歯周病治療の基礎となるスケーリングの機会はとても増えています。長谷川亨歯科クリニックでは、歯科衛生士が3名いますので、何とか対応できていますが、歯科業界全体からみると、歯科衛生士は恒常的にかなり不足しています。新卒歯科衛生士には2倍から3倍の求人があり、取り合いの状態です。その結果として半数以上の診療所が歯科衛生士を雇用できていない現状です。
これは、歯科医院がサボって歯科衛生士を置いていないのではなく、歯科衛生士を雇用したくても出来ないのです。仕方なく、ベテランの歯科助手にスケーリングを任せる診療所もあるのかもしれません。歯科医師の十分な監視下のもとで、症例を選んでスケーリング行うのであれば、歯科助手にスケーリングを任せても問題ないとの意見もありますが、法的にはやはり良くないのでしょう。
しかし、前述したとおり半数以上の歯科医院でスケーリングが行われないとしたらそれは大きな問題です。(歯科医師がスケーリングを行えば問題ないのですが、現実的ではありません)前述したとおり、スケーリングは歯周病や虫歯治療の基礎となる治療ですので、そのしわ寄せは治療を受ける患者様にきます。
行政当局の弾力的な対応を望みます。