歯科用CT検査について
歯科用CTについて
”CT”とはComputed Tomographyの略でコンピュータ断層撮影およびその装置のことです。
歯科用CTは一般病院に設置されている医科用CTと断層撮影の原理は同じなのですが、医科用CTより解像度が高く、歯や骨等を詳細に調べることができます。また頭頸部の撮影に特化している為、装置は非常に小さく、撮影の為に着替える事無く、座ったまま十数秒で撮影が完了します。
コーンビーム方式というX線照射方法を採用しているため、エックス線の被ばく量も少なく、当院の歯科用CTの被曝量は医科用CTの 125~750分の1です。
従来のレントゲン装置とCTの違い
従来のレントゲン写真(パノラマレントゲン)が2次元で平面的あるのに対して、歯科用CTが3次元(3D)で立体的に画像をとらえることができる点が大きな違いです。
歯科用CT検査の保険適応範囲について
歯科用CT検査は一部保険適用となっております下記の疾患関わるCT検査は保険適用とされております。
- 骨内の埋伏智歯等、下顎管との位置関係
- 顎関節症、腫瘍等の診査
- 難治性歯内療法(根管治療)の診断
- 根分岐部を有する中等度以上の歯周炎
- その他、2次元の診断では診断できない病巣の広がり等を確認する必要性が認められる場合
インプラント診断用CTの撮影は保険適用外です。 CT検査の費用について
レントゲンの放射線被ばくについて
日本においては、日常生活において自然放射線により年間約2.1mSvの被ばくがあるといわれています。(世界平均は約2.4mSv)
また、日本(成田)とアメリカ(ニューヨーク)間では、高度による宇宙線の増加により、往復飛行で約0.2 mSvの放射線を受けるといわれています。
当院の最新デジタルレントゲン設備における1回あたり放射線量は以下のとおりです。
歯科用CT | 0.04mSv |
歯科用パノラマ | 0.01mSv |
歯科用デンタル | 0.006mSv |
(参考:胸部レントゲン 0.06mSv PET検査 2-20mSv程度 医科用CT 5-30mSv・・・放医研調査)
この記事の筆者
長谷川 亨(はせがわ とおる) 歯科医師 博士(歯学)
1959年 愛知県名古屋市生まれ。 愛知学院大歯学部歯学科卒業。
スカイル福与歯科等研修をへて1988年長谷川亨歯科クリニック開院
現在 同クリニック院長 (有)長谷川ビル 代表取締役
論文
・歯周炎患者歯肉の電子顕微鏡的研究 ―固有層の炎症層の特徴について― 愛院学院大学歯学会誌
・実験的歯の移動に伴う歯槽骨骨改造活性の動的把握の試み ―鉛生体染色法を用いて― 松本歯学
・ヒト歯肉組織の肥満細胞 免疫組織科学的研究 松本歯学 他